日本の温泉に多くて、アメリカでは滅多にお目にかからない泉質は何だと思いますか?
それは、ヌメり感の強いアルカリ性の湯です。
クリスタルガイザー飲み放題!
日本では大塚食品による輸入販売でおなじみ、クリスタルガイザーは米国で採水されたミネラルウォーターです。
二つある採水地のうち、カリフォルニア州マウントシャスタの麓に湧く水が、特においしいといわれています。
現地ではその湧き水が飲み放題になっていると聞きつけ、これはもう行くしかありません。
場所は、マウントシャスタ・シティ・パークの中。
クリスタルガイザーの空きボトルをちゃっかり持参して、岩間からあふれる清水を口に含むと、正真正銘のクリスタルガイザーです!
アメリカの「うなぎ湯」
マウントシャスタ・シティ・パークから車で20分の山奥に、鉱泉を利用した入浴施設があります。
重厚な門を通り抜けると、右手にパークス・クリークという渓流へ下る坂道が見えます。
当日は路面が凍結してこの辺りに駐車しましたが、通常は施設に隣接した駐車場が利用可能です。
渓流を橋で渡ると、落ち着いた色調の建物が近づいてきました。
こちらでは宿泊も可能ですが、日帰り入浴も積極的に受け入れています。
日帰り料金は大人35ドル。
かつて当施設では混浴全裸可でしたが、2017年に入浴ルールが改められました。
現在、共用スペースでは水着着用、または貸し出されるシーツをまとうことが必要です。
暖炉のある待合室に案内された後、13ある貸切風呂のうち一つを割り当てられます。
75分の制限時間の間、割り当てられた個室を自由に使用できます。
一人用の小さな室内の半分を、一人用のバスタブが占有しています。
扉を閉めればもちろん、全裸になって構いません。
源泉は4℃の冷鉱泉。
加温した源泉を浴槽内で混合します。
湯に触れてびっくり、ヌルヌル感が強い、うなぎ湯。
私の経験上、どういうわけか日本に多くてアメリカに少ない泉質なのです。
入場の際、浴槽内で皮膚をこすらないように、と口を酸っぱくして言われます。
それだけ刺激の強い泉質なんですね。
実際、すぐに湯あたりする感覚があったので、次のステップに進みます。
スチュワート・ミネラル・スプリングスでは、温浴槽と渓流を行ったり来たりする「温冷交互浴」を推奨しています。
うっかり臨死体験
暖炉の前を横切って、いよいよテラスに出ます。
真下には、パークス・クリークが流れています。
もう寒くなってきた。


川原は完全に凍結しています。
細心の注意を払ったにもかかわらず、足を滑らせて川に転落。
これはもう臨死体験。
命からがら氷水を抜け出し、転がるようにサウナへ向かいます。
貸切風呂の並ぶ廊下の一番奥に、共用のサウナがあります。
暖かい……生きててよかった……。
そんなルーティンがくせになって、何度も繰り返してしまいました。