アメリカの田舎によくある、昔ながらの温泉プール、だけでは終わらない。
だまされたと思って、追加料金を払って裏手のビニールハウスに潜入してみて!
グレート・サンド・デューンズ国立公園
2004年に新たに制定された、米国で最も新しい国立公園は、北米で最も標高の高い場所にある砂丘。
Photo by Christian Collins - mt herard from dunefield (2017) / CC BY-SA 2.0
取り立てて乾燥しているわけでもない当地に砂丘が形成されたのは、ロッキー山脈を越えてくる強い西風が砂を運び、別の山脈にぶつかっているからだとか。
そんな一風変わった地形の近くに、やはり風変わりな温泉があります。
砂丘を望むこの一帯には、豊富な温泉が湧きます。
コロラド・ワニ爬虫類公園なる、温泉を利用した施設も付近にあったり。
子供連れ向けのレギュラー・プール
サンド・デューンズ・スイミング・プール&RVパークは、その名の通り温泉付きのRVパーク・キャンプ場。
宿泊者の温泉利用は無料ではなく、通常の半額です。
今回は日帰りなので、大人15ドルの料金を払って入場。
そこには、どことなく懐かしい光景が広がっていました。
巨大なメイン・プールに面して、屋根に覆われたエリアがあります。
そのメイン・プール側にキッズ用プール、反対側にセラピー・プール。
メイン・プールの温度は38℃、セラピー・プールは41℃。
源泉温度は48℃で、加水されて温泉らしさを失っているようです。
更に塩素消毒が施されていて残念な湯使い。
ウォータースライダーがあり、キッズは楽しめそう。
グリーンハウスは大人の楽園
ここまではアメリカにありがちな温泉プールですが、お楽しみはここから。
いったん完全に退場して、施設の裏手に回ってください。


かつて、レストランで提供する野菜を栽培していた温室をリノベーションし、大人専用の温泉施設に仕立て上げています。
21歳以上の年齢制限があり、5ドルの追加料金が必要。
扉を入ってすぐ右手には、ゴルフ・シミュレーターが並んでいます。
左手に進むと、ビニールハウスの内部がいよいよ明らかになります!
まず目に飛び込んでくるのは、入り口付近にあるCoffin Tub。
その名の通り棺の形をした浴槽に、44℃のあつ湯が注がれています。
はやる気持ちを抑えて、まず料金を支払いましょう。
このイカしたバーが受付で、アルコール類と料理も提供しています。
飲酒して温まると湯あたりしやすいので、酒類は一人3杯までに制限されています。
広大な室内を二分するように設けられているのが、ゼロ・エントリー・プール。
細長く、奥へ行くにつれて徐々に深くなっていきます。
温室の最奥部には手つかずのエリアが残っていて、リノベーションの途中の様子。
熱帯植物に囲まれた遊歩道を歩いていると、植物園を散歩しているような感覚になります。
茂みに隠れているサウナを発見。
内部は10人ほど入れるサイズです。
先ほどのCoffin Tubを含めて、小さな浴槽は計3つ設けられています。
こちらのDeep Thought Tub、温度は42℃。
湯口からは正真正銘の源泉が投入されているようです。
しかし、浴槽内はどれも塩素系薬剤による消毒の臭いが、程度の差こそあれ感じられます。
オリジナリティあふれる空間は高く評価できるだけに、湯使いには失望を禁じ得ません。
排水は自然の小川を模した溝を通じて行われます。
室外のテラスに出てみると、特に何ということもない空間が広がっていました。
まだリノベーションの余地があるので、塩素消毒不要の貸切風呂を作ってもらえれば、温泉ファンも満足できることでしょう。
まとめ
Sand Dunes Swimming Pool & RV Park, フーパー, コロラド州, アメリカ
私の好み
- 種類日帰り、宿泊(キャンプ場)
- ルール水着着用
- 塩素消毒有り
- 泉温48℃(湧出点)