川北温泉露天風呂, 北海道

毎年10月頃から6月頃まで積雪のため林道が封鎖され、ヒグマの越冬地の至近距離にあり、夏場はブユの大群に襲われる秘湯です。

川北温泉愛好会の方々の維持管理により、無料で開放されています。

保養所の跡地

国道224号線の標津町と斜里町の間に、「川北温泉」と大きく書かれた看板があります。

Signboard

ここから5km、ひたすらダート道を進みます。

普通車でも問題なく通行できますが、対向車とのすれ違いは困難です。

ひとたび土砂災害が起これば長期間通行止めになりますので、行けるときに行ってしまうのが賢明です。

Changing Room

当地は明治時代に開湯し、竹沢の湯などと呼ばれて民間の温泉旅館が営業されていた時代もあったようですが、1970年に標津(しべつ)町営の「川北温泉町民保養所」が開設。

年間8千人が利用する人気施設でしたが、1980年の台風被害で廃業の憂き目に遭いました。

1985年に地元民による川北温泉愛好会が結成され、倒壊した保養所の浴室の下部を転用した露天風呂が、今日に至るまで無料で開放されています。

異なる泉源

Men's Bath1

浴槽は男女別にそれぞれ一つずつあります。

最近まで仕切り板が低く混浴に近い構造だったようですが、現在は高い塀で完全に分離されています。

Men's Bath2

湯口からは58℃近い高温の源泉が投入されています。

この日、男湯の浴槽は無色透明の湯で満たされており、見た目に反して強烈な硫化水素を伴っていました。

温度調節のために沢の水が引かれており、これを浴槽内で混合して好みの温度に調節します。

加水用のホースは男女併せて一本しかないようです。

Two Tubs

ちょうど他のお客さんがいなかったので、入浴エリアから一歩外に出てみました。

壁を挟んで右側が男湯、左側が女湯で、驚いたことに湯の色が全く異なります。

Women's Bath1

男湯・女湯とも白濁している場合が多いようですが、泉源が異なるためコンディションの微妙な差があると思われ、その日は女湯だけ濃厚なにごり湯になっていました。

湯口には飲泉用のコップがあり、口に含むと塩味とタマゴ臭が効いています。

Women's Bath2

ここはヒグマの生息域である知床半島の付け根に当たり、わずか2km離れた尖峰は彼らの越冬地として知られています。

高い地熱が極上の温泉を沸かし、一方で雪解けを早め、ヒグマの冬眠明けの食糧を確保します。

温泉ファンとヒグマがこの山奥に集まるのは、決して偶然ではないのです。

川北温泉露天風呂, 標津町, 北海道
評価[4/5]
日帰り入浴
宿泊不可 (ヒグマ生息域のため野営禁止)
公式サイトなし

そういえば…

川北温泉露天風呂から約1時間のドライブでたどり着くのが、有名な熊の湯です。

Kuma no Yu

熊の湯(男湯), 羅臼温泉, 羅臼町, 北海道

こちらも地元民の有志により維持管理されている無料の露天風呂で、乳白色の具合もよく似ています。

ただし熊の湯の方は造成温泉で、すなわち地下から噴出する高温の蒸気を沢の水に通して、80℃近い高温の湯を人工的に生成しています。

Kuma no Yu

熊の湯(女湯), 羅臼温泉, 羅臼町, 北海道

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