何がその街の運命を変えたのでしょうか?
人口密集地のアメリカ西海岸は、環太平洋火山帯に位置し温泉が豊富に湧くため、大規模な温泉リゾートが点在します。
その一方で、ゴーストタウン化した温泉街もあります。
アメリカ=メキシコ国境
アメリカ―メキシコの国境に最も近い温泉地といえばボキラス温泉ですが、2番目に近いのがハクンバ・ホットスプリングスです。
この街ではかつてアメリカとメキシコの間に何の障壁もなく、自由に往来できました。
Photo by Anthony Albright - U.S.-Mexico Border (2017) / CC BY-SA 2.0
ところが、麻薬がらみの密輸や密入国が増加。
1995年に国境はバリケードで封鎖され、元々没落傾向にあった温泉街の落日を決定付けました。
第二次世界大戦前後には著名な温泉リゾートであったこの街は、現在ではデザート・ホットスプリングスなど、ロサンゼルスに近い温泉街にその座を奪われ、いまやほとんど忘れ去られています。
かなり、ぬる湯
私の訪問時もアメリカの携帯電話の電波がつながらず、メキシコの電波をキャッチする始末。
現在営業しているのはこちらのモーテル1軒だけです。
内風呂はジャグジー。
そもそも私はジャグジーというものが好きではありません。
人間洗濯機のようなもので、他人が入った後に好んで浸かりたくはありません。
露天風呂へと向かいます。


大きなプールが2つあり、どちらも源泉かけ流しで提供されています。
源泉の温度は約38℃しかなく、それが大きな浴槽で冷却されるので、湯口付近を除けばほとんど常温。
泉質は個性的で、雑味の少ないタマゴ臭を感じます。
一般的に、アメリカ人は硫化水素臭を悪臭と捉えるので、温泉街が廃れた理由の一つはこの泉質かもしれません。
ぬる湯を大きなプールに漫然と注ぐのではなく、湯の特徴を活かそうとする工夫が見られないことを、私は残念に思います。
まとめ
Jacumba Hot Springs Resort & Spa, ハクンバ・ホットスプリングス, カリフォルニア州, アメリカ
私の好み
- 種類宿泊、日帰り
- ルール水着着用
- 塩素消毒感知せず
- 泉温38℃(湧出点)
そういえば……
ハクンバ・ホットスプリングスから北へ車で50分走った公園内に、温泉が湧きます。

アグア・カリエンテ郡立公園, ジュリアン, カリフォルニア州, アメリカ
残念ながら強烈な塩素消毒で、温泉かどうかさえ分からない湯使いでした。