ベイエリアで近場の温泉地といえば、カリストガでしょう。
湯使い重視の温泉ファンは肩透かしを食わされる施設も多いこのリゾート地に、ホンモノの温泉を楽しめる場所もあります。
古びたモーテルで、名湯の予感
ウソみたいなホントの話。
1860年代、先住民の温泉が西部開拓民に知られた結果、当時から有名だった東海岸ニューヨークのサラトガ温泉にちなんで名付けられたのが、町の名前。
カリフォルニアのサラトガでカリストガ、です。
ベイエリアの発展に伴って人気のリゾート地であり続けたカリストガは、やや商業的なきらいもあります。
スイミング・プールみたいに塩素消毒のきつい温浴施設も少なくない町ですが、ゴールデン・ヘイヴン温泉は期待できそう。
ところどころリノベーションされていますが、基本的には古びたモーテルです。
裏庭のガゼボの下に、ビリヤード台と卓球台を発見。
その横にボッチー(Bocce)用のコートがあって、のどかな感じです。
巨大な源泉タンクを見つけました。
湧出点で66℃の高温泉を、タンクで自然冷却しています。
飲泉所が直結しています。
源泉を口に含んでみると、不味い。
良薬口に苦し、名湯の予感です。
カリストガ名物の泥風呂も、試さないわけにはいきません。
泥風呂は予約制の貸切なので、まずは温泉プールに浸かって時間を調整することにしましょう。
温泉プールは塩素ばっちり
プールの利用はスパの客と宿泊者に限定されていて、普段は施錠されています。
日帰り入浴は受け付けていません。
プールサイドが狭く、開放的な雰囲気ではありません。
手前の小浴槽は37℃、奥は40℃。
こちらのジャグジーでは湯が黄味がかっているので、源泉の使用量が多いようです。
残念ながら強烈に塩素消毒されています。
温泉プールには期待しない方がいいでしょう。
泥風呂はクセになる臭さ
予約していた泥風呂の時間になりました。
スパも宿泊も同じ場所で受付します。
受付だけ、同じ施設とは思えないほどきれい。
まずは更衣室でバスローブに着替えます。
手荷物や衣類は自分で持ち運びするので、専用の袋を渡されます。
いよいよ泥風呂の部屋へ突入!
うわっ、これに浸かるの!?
無機質なコンクリートの枠の中に、一人ずつ入るように泥が満載されています。
カリストガの泥風呂は、近隣のコノクティ山などでの約1万年の噴火に伴う火山灰と、当地の源泉を混合したユニークな温泉文化です。
スタッフが退室した後、シャワーを浴びて、全裸のまま泥に体を埋めます。
臭ッ!


泥は全体的にじんわり暖かい程度ですが、足元に湯口があるようで、かなり熱い箇所もあります。
しばらくするとスタッフが部屋に戻ってきて、顔に泥パックを施し、頼んでもないのに記念撮影してくれます。
いよいよ臭ぇぞ……
泥の中にいるのはたった15分ですが、激しく発汗してきて満足。
衛生面で気になる人はいるかもしれません。
これだけ大量の泥を毎回入れ替えるとは思えませんので……
最後は温泉使用のジャグジーでさっぱりします。
プールほど強烈ではないまでも、こんな浴槽まで塩素消毒されていて、げんなり。
客室の選択には金を惜しまず
泥風呂は体験としては面白いですが、個人的には一度でいいかな、という印象。
ゴールデン・ヘイヴンで最も値の張るSpa Roomsに宿泊すれば、客室に掛け流し浴槽が付いてきます。
一泊素泊まり約400ドル、おいそれと泊まれる値段ではありません。
それにしても個性的な間取りです。
ベッド脇の階段状に高くなっている頂上に、既製品のバスタブが埋め込まれています。
蛇口をひねると、飲泉所で体感した源泉が63℃で飛び出してきました。
塩素消毒なし、こってりとしたアブラ臭が香ります。
緑色に色づいた外見は、含有成分の豊富さを物語っています。
いささか商業的なきらいのあるリゾート地カリストガにも、温泉ファンをうならせるホンモノの温泉が残っているのです。
皆さん、課金するならゴールデン・ヘイヴンのスパ・ルームですよ!
まとめ
Golden Haven Hot Springs Spa and Resort, カリストガ, カリフォルニア州, アメリカ
私の好み
- 種類宿泊、日帰り
- ルール部屋風呂、貸切、水着着用
- 塩素消毒無: 部屋風呂、有: その他
- 泉温66℃(湧出点)