泥風呂で有名なカリストガのパイオニアともいうべき歴史的な温泉宿。
2019年にオーナーが変わり、新たな歴史が始まろうとしています。
お知らせ
2020年に大規模なリノベーションが施され、現在の様子とは異なります。
オールド・フェイスフル・ガイザー・オブ・カリフォルニア
アメリカにはオールド・フェイスフル・ガイザーという名の間欠泉が2つあります。
よく知られているのはイエローストーン国立公園の中の、恐らく世界で最も有名な間欠泉。
大昔から定期的に熱水を噴き上げていることから、Faithful(忠実な)の名称が付いています。
もう一つの無名な方は、カリフォルニア州カリストガにあります。
小規模ですがおよそ約20分間隔で5分程度、忠実に噴き上げています。
温泉ファンでもなければ、これだけのために観覧料15ドルを取られるのは不満かもしれませんが、Grouponに割引券が出ていることもあるので要チェックです。
歴史を作ったドクター
間欠泉から車で5分、カリストガのチャーミングなダウンタウンで、古めかしい鉄道車両がひときわ目を引きます。
1868年開業、カリフォルニア州に現存する駅舎の中では2番目に古いカリストガ駅です。
鉄道は廃線になっていますが、車両もろとも商業施設として整備されています。
通りを挟んで駅の反対側に、目立たないホテルがあります。
実はここが、今やナパ・バレー観光の目玉の一つである泥風呂の発祥地なのです。
1944年にカイロプラティックの施術者となったドクター・ウィルキンソンは、1946年にカリストガの今でいうインディアン・スプリングス・リゾート&スパを借り受けました。
そこで当地の温泉と豊富な火山灰に魅せられたウィルキンソンは、1952年にこの施設を開業しました。
当時は独自のレシピに基づく泥風呂のみを売りにしていましたが、後にホテルと温泉浴場を併設。
泥風呂はカリストガの名物として広く知られるようになり、今では町の数多くの施設で体験できます。
ゴールデン・ヘイヴン・ホットスプリングスで泥風呂を体験した私は、ここでは温泉浴場を見て回ることにしました。
建物の裏手には屋外プールが2つ。
温度は33℃と28℃のぬる湯です。
源泉が使用されているようですが、温泉らしさはあまり感じられません。
しっかり温まりたいなら、内風呂がおすすめ。
湯気で曇ったガラス戸を引いて内風呂に足を踏み入れると、水着着用必須とはいえ気分が高まります。
密閉された空間のため、強烈というほどではありませんが鼻をつく塩素臭。


温度は40℃の適温です。
60年以上もの間ウィルキンソン家が運営してきたこの宿は、2019年、サンフランシスコのリゾート会社に売却されました。
2020年には大規模な改修工事を経て、より現代的なアレンジが加えられたと聞いています(未取材)。
この場所が、今後もカリストガの歴史をけん引していくことを祈ります。
まとめ
Dr. Wilkinson's Backyard Resort & Mineral Springs, カリストガ, カリフォルニア州, アメリカ
私の好み
- 種類宿泊、日帰り(スパ)
- ルール水着着用必須
- 塩素消毒有り
- 泉温~40℃