ロサンゼルスから日帰り旅行にうってつけの野湯。
様々な行き方がありますが、今回は歩く距離の最も短いボーウェン・ランチからのルートを通ります。
ボーウェン・ランチ
ディープ・クリーク温泉を地図で調べるとロサンゼルスの間近に位置していますが、サンバーナーディーノ国立森林公園の中にあり、車でたどり着くことはできません。
歩く距離の最も短い経路は北側からう回する形となり、Googleマップでうまく検索できません。
I-15からHesperiaのメインストリートを東進し、Ocotillo Wayに入ってからBowen Ranch Roadを南進。
未舗装路は携帯の圏外になってもひたすら続きます。
普通車でも慎重に運転すれば問題ありませんが、トラックかSUVで来た方が安心です。
ボーウェン・ランチは、温泉へ向かうために横切らざるを得ない私有地で、通行料を取られます!
しかもオーナーがちょっと曲者で、10ドル/人・日の料金を支払う間は車のエンジンを完全停止させる「俺ルール」を守る必要があります。


その他、7時から17時の開門時間をちょっとでも超えると問答無用で施錠されるので、十分に注意してください。
ダート道の突き当りから片道1時間、3 kmのハイキングです。
往路はひたすら下り坂、復路はひたすら上り坂。
高低差は400 m程度あり、それなりの覚悟と準備が必要です。
川沿いの岩風呂
深い谷底まで急斜面を降りて行くと、渓流沿いの岩山に露天風呂のようなものが見えます。
そちらへたどり着くには、川を歩いて渡るほかありません。
川の水位は膝丈で流れも緩やか。
雨の影響がないことを事前に確認しておけば、さほど心配しなくてよいでしょう。
この温泉には、巨大都市の重圧から逃れてきたヌーディストが、わんさか集まることで知られます。
彼ら彼女らの恥じらいの無さはちょっと苦手ですが、7時の開門きっかりにハイキングを始めたら、週末でもこのとおりの独占状態。
手前に細長い湯だまり、奥に深い湯だまり、真ん中にそれらが流入する湯だまりがあります。
土のうで囲まれた部分では川の水と温泉が融合しています。
泉温は約43℃の奇跡的な適温。
無味無臭、無色透明の単純泉です。
奥の湯だまりはダム状にせき止められ、深い所では2m近い深さがあります。
湯口は左手で派手に流れているものと、中央の岩盤から染み出しているものと、右手から流入しているものの三つあります。
あっさり爽やかな浴感で、ワイルドな景観も素晴らしい。
でも、これで満足して帰っちゃもったいない。
岩山をぐるっと回って
細長い湯だまりのところから岩壁をよじ登ると、モルタルで固めた浴槽が現れます。
新湯の投入量が少なく、ぬるめ。
川面から高い位置にあり、見晴らしは最も優れています。
岩山をぐるっと回ると、源泉がじゃんじゃん掛け流されている岩風呂が見つかります。
ここの湯は最も熱く、シャキッと新鮮な感じがあります。
それもそのはず、川にせり出した部分から下をのぞき込むと、先ほどの深い湯だまりが見えます。
湯口だと思っていたのは、この岩風呂から落下した湯だったのですね。
岩山に張り付いた複雑な構造で全貌を把握しづらいですが、これら以外にも湯の流れがあるようです。
川の上流方向へ少し歩くと、小ぶりな岩風呂が更に複数見つかりました。
渓流沿いの湯だまり群がヌーディストたちで埋め尽くされていても、これなら大丈夫。
ゆっくり湯浴みできる場所を探してください。