西春別温泉 ペンションクローバーハウス

生乳生産量日本一を誇る北海道別海(べつかい)町。

明治、森永乳業、雪印メグミルクといった乳業大手3社が当地に工場を構えますが、観光客が訪れる機会はそれほどないでしょう。

良質なモール泉が湧出する地域であることは、あまり知られていません。

内風呂

別海町と聞いてパイロットファーム(※)という単語を思い出した方は、子供の頃に社会科を頑張った人かもしれません。

(※)戦後開拓の一環として、世界銀行の融資により機械を導入し近代経営の形態をとる実験農場。

Exterior

酪農業が盛んな一方、観光資源の少ない根釧台地ですが、良質な温泉が点在しています。

それらは植物起源の有機化合物を含む温泉、いわゆるモール泉です。

Stairs

泥炭や亜炭層から湧出するモール泉が、日本最大の湿原である釧路湿原の近辺に多く見られるのは、考えてみれば当然のことです。

ペンションクローバーハウスはわずか5室の小さな温泉宿で、宿泊メインというより、レストランと日帰り入浴をセットにした「道の駅」的な需要を喚起して経営が成立しているように思えます。

Indoor and Outdoor Baths

男女別の浴場は、サウナ・水風呂付きの内風呂1つと露天風呂1つで構成されています。

内風呂の浴槽はタイル張りの細長い形状で、8人ほどのキャパシティーがありそう。

Indoor Tub1

脱衣所側に位置する塩ビのパイプから、源泉が勢いよく投入されています。

湯口の泉温は43℃。

Hand

一切の加水が必要なく快適に湯浴みできる、奇跡的な温度で湧出しているということです。

香り高いモール臭と、滑らかな触感がたまりません。

Indoor Tub2

一般的なモール泉よりも濃い色彩を放ち、コーラのように見えます。

水面の泡立ちは、腐植質に由来するモール泉ではよく見られる現象ですが、これほど明瞭なものは珍しく、成分の濃厚さがうかがえます。

露天風呂

Outdoor Tub1

開店と同時に滑り込んだので、露天風呂はあと少しで湯張り完了という状態でした。

Outdoor Tub2

背の高い塀で囲まれており、それほど開放感があるわけではありません。

Outdoor Tub3

丸太を模した湯口から投入される源泉は、内風呂に比べてかなり絞られています。

Water Outlet

そのため長湯できる、ぬるめの温度に仕上がっていました。

インバウンド景気で観光業が活況を呈する北海道ですが、札幌一極集中が顕著で、バブル期に拡大した遠方の温泉地の多くは、需要と供給のバランスが崩れたままです。

一方、地域経済が酪農業に下支えされてきた根釧台地周辺には、「小粒でもぴりりと辛い」小規模な温泉が点在し、温泉ファンの心をつかんで離しません。

ペンションクローバーハウス, 西春別温泉, 別海町, 北海道
評価[5/5]
日帰り入浴可 (11:00 – 22:00)
宿泊
公式サイトなし

コメントを残す

Ken Springfield