新登別温泉 旅館四季

登別温泉には海外からの団体客がひっきりなしに訪れますが、温泉街から2キロほど離れた山中に位置する新登別温泉は静けさの中にあります。

ここでは、希少な奥の湯からの引湯を堪能することができます。


大湯沼

今も白煙を上げる活火山、日和山の爆裂火口跡は、大湯沼と呼ばれ登別の観光名所になっています。

日和山と大湯沼

Photo by Wpcpey – 日和山と大湯沼 (2014) / CC BY-SA 4.0

大規模な源泉地帯ですが、登別温泉のほとんどの旅館・温浴施設は、温泉街により近い地獄谷から引湯しています。

新登別温泉は大湯沼のすぐ横にある奥の湯を泉源とする希少な存在です。

旅館四季

1960年代に温泉分譲地としての開発が進んだ新登別温泉は、登別温泉とカルルス温泉の中間地点に位置しています。

近隣の虎杖浜温泉同様に分譲事業は成功したとは言えず、侘びしい風景を見せていますが、登別温泉で過熱している観光ビジネスから距離を置くには最適です。

新登別温泉の温浴施設は年を追うごとに数を減らしてきました。

営業期間が短いことで温泉ファンからカルト的人気を誇った新登別温泉荘が2016年に廃業してからは、大型貸別荘「優雅」と旅館四季の2軒のみが営業しています。

新登別温泉荘のオーナーの弟の息子が現在経営する旅館四季は、素朴な印象ながら手入れが行き届いています。

先代が大阪ご出身ということで、客室から浴室まで、全ての部屋に大阪の地名が付けられています。

浴室は男女別の小ぶりなものが一つずつ、内風呂と露天風呂がセットになっています。

カランやシャワーは新しいものが備え付けられていますが、床面は古風な板張りで大変に風情があります。

メンテナンス性を重視してタイル張りに切り替える老舗旅館も多い中、オーナーのさりげない、しかし決意に満ちたこだわりが感じられます。

湧出点で80℃を超える奥の湯源泉は、引湯の過程で50℃程度までに自然冷却されます。

それでも熱いので湯張り時に加水する場合があり、その後も客が自由に加水することができます。

露天風呂に移ります。

大湯沼や奥の湯で見られる湯そのままの、美しい白濁が見られます。

見た目に反して浴感はマイルドで、さらりとしています。

泉源から2キロ近い長距離をパイプで移動する間に、角が取れるのでしょうか?

浴槽の手前にタッパーに詰めた湯泥が置いてあります。

天然の泥パックを楽しんでください、ということでしょう。

浴槽の中にはこれほどの沈殿物はないので、温泉とは別に手配しているようです。

元々男女合わせて一つしかなかったいう露天風呂は、板塀で分離されていますが湯の中で一体となっています。

左手に見える小窓を開けば、顔を出して互いに会話することができます。

温泉でのマナーに関して無知あるいは無頓着な訪日客が多い登別では決してできない、新登別だからこそできる、小粋な計らいです。

温泉付分譲地が事業として失敗したことが幸いして、露天風呂の目の前にあるのは見渡す限りの森林です。

そんなわけで、ぎすぎすしたビジネスの世界をひと時でも忘れたい人には、登別温泉ではなく新登別温泉がおすすめです。

旅館四季, 新登別温泉, 登別市, 北海道
評価[5/5]
日帰り入浴
宿泊
公式サイトあり

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Ken Springfield