【耐え難きを耐え】湯の峰温泉 旅館あづまや

「耐え難きを耐え」…誰の言葉でしょうか?

もちろんこれは第二次世界大戦の終戦の玉音放送で、昭和天皇陛下の口から出た言葉です。

しかし禅僧、山本玄峰がこの文言を進言し、戦後の天皇の地位について「象徴」を示唆したことはあまり知られていません。

そんな老師の一生は、この温泉旅館から始まったのです。

まとめ

湯の峰温泉の中心部

世界遺産に登録された公衆浴場「つぼ湯」のはす向かいに、旅館あづまやはどっしりと建っています。

Exterior

1866年、玄峰老師はこの場所で生誕し、直後にタライに入れられ旅館の前に捨てられていたところを拾われました。

では、日の暮れる前に露天風呂から拝見することにしましょう。

Open-air Bath

やや狭いながらも計算されつくしたかのような日本庭園の露天風呂です。

心打たれる内風呂

Small Bathroom

そんな素晴らしい露天風呂も、幽玄な内風呂には見劣りしてしまいます。

男女交代制で提供される内風呂は、二つあります。

Main Bathroom

槙造りの浴槽に浸かり、見上げれば重厚な太い梁が交差しています。

浴槽の四方のふちは極めて水平に近く作られており、湯の排出が均等に行われる機能面の利点だけではなく、鏡のようなその様相には、吸い込まれるような美しさがあります。

やや加水されているものの源泉温度が83℃もあるため、長湯はできません。

そのため、こちらの「さまし湯」と交互で入浴することになります。

Chilled Spring Water

この浴槽には高温の源泉が少量ずつ投入され、加水されることなく適温まで冷却されています。

濃厚な硫化水素臭を伴う白濁の源泉が、非の打ちどころの無い湯使いで提供され、過去に思いをはせるには絶好の環境です。

戦争末期の悲惨な状況下、内閣総理大臣・鈴木貫太郎をはじめ日本の指導者たちが国家の針路に悩み苦しんでいたとき、彼らが教えを請いに訪れたのが、かの玄峰老師のもとでした。

老師は、敗戦へ向けて日本の進むべき針路を指し示し、戦後の象徴天皇制の実現に至るまで、見えざるところで極めて大きな歴史的な行いを成したといわれています。

温泉を使用した料理

風呂上りには、一つ一つがきれいに飾り付けられた夕食が待っています。

Dinner

『人間の条件』などの著作で知られるフランス人作家、アンドレ・マルローがあづまやを称賛したことも影響しているのか、いまや宿泊客の多くが海外からの旅行者です。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ先人の紡いだ日本の文化は、日本人のみならず世界中の人びとを魅了し続けています。

まとめ

ここがいいね!!

幽玄な内風呂

ここがあと一歩

なし

旅館あづまや, 湯の峰温泉, 和歌山県, 日本
評価[5/5]
日帰り入浴YES
宿泊YES
公式サイトYES

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コメント

  1. ムクさん
    時代は変わっても、温泉は変わらず湧き続けています^^

  2. ムクさん より:

    いつもユーモアと含蓄のある記事を楽しみに拝読しています?
    さて、あづまやは17年前に実家と夫の両親を誘い、夫と息子たちも揃って行った思い出の温泉です。そんな由緒ある歴史のある温泉だったのですね。教えていただき、ありがとうございました。
    これからも更新を楽しみにしています。

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