沼尻温泉 沼尻元湯

各地の温泉を訪ね歩いた中で、忘れられない印象的な光景がいくつかあります。

沼尻元湯の、この世のものとは思えない風景はその一つです。

もっとも、有毒ガスの発生する危険地域にあるため、この記事を読んでも安易に立ち入らないでください。


この野湯では、1997年に火山ガス中毒により四人の方が死亡しています。

天候や場所により大変危険なので、風の弱い日は特に近づかず、風のある日もガスがたまりやすい低地を避けてください。

険しい登山道

まずは、沼尻温泉街の田村屋旅館を目指して車を走らせます。

宿を通り過ぎて突き当りを左折し、沼尻横スキー場を横切る未舗装路を進むと、駐車場が現れます。

そこから30分ほどのハイキングですが、登山道の状態が極めて悪く、崩壊している箇所から谷底に転落してもおかしくないので、細心の注意を払ってください。

Shiraito No Taki

道中に見える「白糸の滝」。

この滝がこれから訪れる温泉の川の下流に当たり、白濁しています。

単一の源泉としては日本一の湧出量

悪路を進むにつれ、そこかしこで噴煙の立ち上る、異様な光景のガレ場が現れます。

火山ガス(硫化水素)の臭いが強烈で、次第に嗅覚が麻ひして何も感知しなくなります。

かつての硫黄鉱山の跡地から湧く強酸性の温泉は、単一の源泉としては日本一といわれる毎分13,400Lの湧出量を誇り、その一部はふもとの温泉街にパイプで配湯されています。

Hot Springs River

そして、大半が使い切れずに乳白色の川となって流出しているのです。

泉温は7o℃程度の激アツですので火傷には十分な注意が必要です。

沢の水と交じり合って入浴に適した温度になっている場所を探します。

Cloud

山の天気は急に変わります。

10月のその日も猛烈な風が吹き始め、ガス中毒の危険を避けられるのは良いですが、極度の寒さに震えながら、全裸で川に飛び込みました。

Soaking

ここが天国でしょうか、はたまた地獄でしょうか?

圧倒的な量の温水に押し流されそうになりながら、大いなる自然と一体化したような感覚がありました。

沼尻元湯, 沼尻温泉, 福島県, 日本
評価[4/5]
日帰り入浴
宿泊不可(ふもとの温泉街で泊まってください)
公式サイトなし

そういえば…

「君子危うきに近寄らず」というものです。

Sennin Buro

仙人風呂, 川湯温泉, 和歌山県, 日本

こちらは冬季(12~2月)限定ですが、川底から湧出する73℃の温泉を、川ごとせき止めることで露天風呂を実現しています。

温泉の流れる川を安全に楽しむことができる、「君子」向けスポットといえるでしょう。

北海道・東北地方の温泉


日本の温泉

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