ニセコ五色温泉旅館(本館・別館)

「パウダースノー」と称される良質な雪で知られる北海道、ニセコはもはや日本ではないかのようです。

街はオーストラリアなど海外からの観光客であふれ、日本でインバウンド需要を最も積極的に取り込んだリゾート地の一つといわれています。

かつてひなびた湯治宿として知られたニセコ五色温泉旅館にも、変容が見られます。


本館

五色温泉へはニセコ町の市街地から車で30分弱ほど。

ニセコアンヌプリ、イワオヌプリといった山々に挟まれた高地にあり、冬季は豪雪のため倶知安方面からの道道58号線は通行止めになるなど注意が必要です。

Honkan Exterior

いわゆる地獄(火山ガスの噴出する草木の少ない地帯)に面した場所に山小屋風の建物があり、それが本館です。

別館宿泊者も本館で受付が必要なので、最初に立ち寄ることになります。

Honkan Corridor1

ひなびた外観とは打って変わって、内部はきれいに改装されています。

それはスーパー銭湯のように無機質な感じさえ受けるほどです。

秘湯らしい雰囲気に興味のないスキー客には受けそうです。

Honkan Corridor2

かつては混浴露天風呂が名物でしたが、川の氾濫により営業停止となり、現在は男女別のみとなっています。

珍しいことに、男女別の大浴場の他に、男女別の「から松の湯」という浴場があり、そのどちらも内風呂と露天風呂で構成されています。

Honkan Daiyokujo1

こちらが大浴場(男湯)です。

採光の良い浴室に二つの浴槽があり、湯使いはかけ流し、または加水かけ流しです。

キリッとした酸性の湯が注がれています。

Honkan Daiyokujo2

火山性のガス臭と硫化水素臭が浴室に充満しています。

窓際の浴槽は旅館で唯一の木造で、温かみが感じられます。

Honkan Daiyokujo3

大浴場からつながる露天風呂は、特に展望露天風呂と呼ばれています。

浴槽が大きいため温度設定はややぬるめ。

Honkan Tenbo Rotenburo1

ニセコアンヌプリに向かって大きく開け、特に日昇時の景観は感動的なものがあります。

真向かいの展望台から風呂場が丸見えですが、プライバシーと眺望との両立は不可能なので、気にしないことです。

Honkan Tenbo Rotenburo2

さて、いったん服を着てもう一つの浴場へ移動します。

かつては総木造で湯治場の雰囲気が魅力だった「から松の湯」は現代的にリノベーションされています。

Honkan Karamatsu No Yu (Indoor)

五色温泉の名のとおり、湯のコンディションによって様々な見え方をする泉質で、微妙な違いを知覚します(温度設定もこちらの方が熱め)。

しかし、大浴場と比べてどこが良いか、といわれるとちょっと分かりません。

Honkan Karamatsu No Yu (Outdoor)

露天風呂は小ぶりで、斜面に向かって眺望はありません。

小ぎれいに改装され、コアな温泉ファンだけでなく幅広い客層をターゲットとした温泉宿、という印象を受けました。

ニセコ五色温泉旅館(本館), 五色温泉, ニセコ町, 北海道
評価[4/5]
日帰り入浴可 (9:00 – 20:00[5~11月]、1o:00 – 19:00[12~4月])
宿泊可 (Web予約可)
公式サイトあり

別館

「から松の湯」から窓の外を望むと、湯気の立っている池の向こうに別館の建物があります。

Hanabatake Gensen1

この池は花畑源泉とよばれる泉源で自噴しており、湧出温度は55℃。

別館のみに配湯されています。

本館で使用されているのはイワオヌプリの山麓から配湯している76℃の源泉で、温泉分析書上の泉質は同一ながら、内容は別物と考えてよいでしょう。

Hanabatake Gensen2

別館は素泊まり税込3,800円ほどで、本館より安価な値段設定になっています。

自炊設備を備えて湯治目的には最適と考え、宿泊には別館を予約しました。

Bekkan Guest Room

部屋は殺風景で、壁は薄くいかにも簡素な造りです。

テーブルとティッシュ、暖房設備ぐらいしかなく、バスタオルなどアメニティ類は付属しません。

Bekkan Shared Kitchen

自由に使ってよいキッチンは非常に充実しています。

調理道具や皿もそろっているので、スーパーで食材を買い出してくるだけで十分です。

Bekkan Dining

この日は別館に他の宿泊客がおらず、貸切。

広大な空間をぜいたくに使いながら食事を摂り、いよいよ別館の温泉に入ります。

浴場は男女別で、それぞれ内風呂と露天風呂で構成されています。

Bekkan Men's Bath (Indoor)

こちらは男風呂。

内風呂は素朴な湯治場の雰囲気があり、好ましく感じられます。

Bekkan Men's Bath (Outdoor)

利用客が少ないためか、露天風呂の表面には多くの虫が浮いていました。

これを丁寧に除去してやるだけで、極上の湯浴みとなります。

こちらは女風呂。

Bekkan Women's Bath (Indoor)

他の宿泊客がいないことをいいことに、湯船の底にコロイド状に沈殿する湯の花を思いっきり攪拌すると、見事な白濁湯に変貌。

別館の源泉温度は本館より低いため、加水が最低限で事足ります。

泉源からの距離が近いことも影響しているのか、浴感は本館より優れていると感じました。

特に肌触りが不思議なほどなめらかです。

Bekkan Women's Bath (Outdoor)

どれだけ部屋の壁が薄くても、どれだけ露天風呂に虫が浮いていようとも、私なら本館より別館を推します。

泉質の優劣はさることながら、国際化の進むニセコにありながら、温泉ファンが「五色温泉」に求める秘湯感が色濃く感じられるためです。

それに、別館宿泊者は本館の湯にも出入りできるのですから。

ニセコ五色温泉旅館(別館), 五色温泉, ニセコ町, 北海道
評価[5/5]
日帰り入浴可 (本館と別料金、土日・繁忙期限定)
宿泊可 (Web予約可、土日・繁忙期限定)
公式サイトなし

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Ken Springfield