恵山温泉旅館

紅茶色というより、ルイボスティーのような鮮やかな赤色の、極めて珍しい温泉です。

その浴感は見た目以上にパワフルで、強い酸性を示します。


活発な火山活動

渡島半島の東端に位置する標高618mの恵山(えさん)は、今から4~5万年前に火山活動を開始し、現在でも活発に噴気を上げています。

賽ノ河原より望む恵山

標高330mの賽の河原まで、車で進入できます。

津軽海峡を挟んで対岸の青森県、恐山と同様、霊山(神聖視され崇拝の対象となる山)であることがよく分かる、おどろおどろしい火口原の風景が見られます。

恵山温泉旅館

Exterior

1932年創業のこちらの温泉旅館は、火口原に湧く源泉を、4kmもの長いパイプで引湯しています。

屋根の赤い瓦が、これから対面することになる赤い温泉への期待を高めます。

Entrance

やや雑然として湯治場の雰囲気の漂う玄関を通り抜け、浴室へ向かいます。

浴室は男女別の内風呂がそれぞれ一つのみ。

「石けんは効かない」旨の張り紙が随所にあります。

Bathrooms

強い酸性の源泉のため、アルカリ性の石けんは中和されて界面活性作用がなくなり、洗浄できないのです。

弱酸性のボディーソープも一般的な今日では、「石けんは効かない」というのは注意書きというよりむしろ、その泉質を誇らしげに語る宣伝文句に見えます。

そんな宣伝文句にあおられて、ワクワクしてきました。

Overview

一度見たら忘れられない、圧倒的な存在感を放つ浴室の光景です。

山の斜面に面して開放できる窓の下に、まだ新しさも感じられる木張りの浴槽が一つ。

この上なくシンプルな構造の浴室に凄みを与えているのは、温泉成分です。

両サイドの壁に長い年月をかけて飛び散った温泉の析出物が、えも言われぬ色合いを帯びています。

Hot Tub

4人も入ればいっぱいの小さな浴槽に注がれる湯の投入量は明らかに多く、浸かっていると水流を感じるほどです。

湧出点では60℃程度だそうですが、長距離の引湯の間に40℃前後に自然冷却され、長湯できる心地よい温度になっています。

秋冬になると冷却の度が過ぎるため加温されるようです。

Water Outlet

ルイボスティーのように鮮やかな湯の色は、浴槽が明るい色の木でできていることと、特殊な泉質によるものです。

掲示されている温泉分析書によれば、アルミニウムイオンの含有量が325.7mg/kgで日本一とのことです。

温泉分析書が存在するのは日本だけであるためと、浅学の私の場合、例えばアルミニウムイオンが何にどう影響しているのか理解できず、自分の五感を信じた方がましだと思うため、当ブログでは分析書に頼った形容を避けています。

Washing Place

しかし、見た目以上にパワフルな浴感の理由が、その含有成分にあることは明らかです。

強い酸性のため、目に入るとひどく痛み、口に含むと渋みのある酸っぱさが感じられ、キシキシとした浴感があります。

感動して長湯し過ぎ、肌への刺激も大きかったようで、皮膚がカサカサになってしまったので、入浴には注意が必要です。

特殊すぎる温泉に出会い、うまく形容できないことにもどかしさを感じ、温泉の写真でお茶を濁すことにします。

恵山温泉旅館, 恵山温泉, 函館市, 北海道
評価[5/5]
日帰り入浴可 (6:00 – 20:00 )
宿泊可 (Web予約可)
公式サイトあり

コメント

  1. むくさん
    視覚に訴える温泉だと思います。

  2. むくさん より:

    凄さが伝わってきます~~!

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