【モール泉の知られざる世界】あきしげゆ

モール泉とは何か知っていますか?

この用語は植物起源の有機物を含む温泉を表し、温泉マニアによく使用されますが温泉法などの定める正式名称ではありません。

ところがモール泉のルーツを遡ると、ナポレオン戦争にまでたどり着いてしまうのです…

モールバート

1798年、ナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍がエジプトに遠征。

このとき、負傷した兵士の治療のため、湿原に堆積している泥炭(植物の遺骸で、石炭になる前のもの)に浸かる民間療法が、エジプトからヨーロッパにもたらされました。

ナポレオン・ボナパルトの末弟、ジェローム・ボナパルトは、1813年のライプツィヒの戦いでの自軍の兵士の保養のため、世界初の泥炭入浴施設をドイツのバート・ネンドルフに設けました。

Frau nach einem Moorbad

出典:Badende Frau, Thermalbad, Moorbad – Ottmar Zieher (1927) / {{PD-old-70}}

フランス軍の敗北後、現在のドイツとその周辺一帯で、美容・健康のために泥炭に浸かる文化が庶民の間で流行し、その入浴方法はモールバート(Moorbad)と呼ばれました。

さて、日本で「モール泉」という用語が初めて使用されたのは、20世紀初頭の北海道・十勝川温泉といわれています。

十勝平野に堆積する泥炭を含む地層から湧出する温泉に、かつてドイツで流行した入浴方法に似た効能を期待できるとして、このような宣伝文句が用いられたのです。

モール泉の密集地帯

Apperance

その後、十勝川温泉同様に植物起源の有機物(フミン酸)を含む温泉が日本各地で発見されました。

特に、宮崎県、鹿児島県、熊本県の接する一帯はモール泉の密集地帯として知られています。

Entrance

宮崎県側のあきしげゆは、のどかな田園地帯の中の日帰り入浴施設。

入浴料金は500円。

営業時間は10時~14時半(最終受付)と短いので注意してください。

Indoor Bath

内風呂の大きな浴槽には、ツルツルとした触感の飴色の湯がかけ流されています。

浴室全体には、モール泉特有の太陽を浴びた干し草のような甘い香りが漂っています!

露天風呂の浴槽は樹脂製のシンプルなもので、醤油樽を転用したものです。

Outdoor Bath

モール泉が、時代を超えて世界各地で愛されてきた理由がよくわかる温泉です

まとめ

😆 ここがいいね!

モール泉の中でも香りの強い部類

😥 ここがあと一歩

なし

あきしげゆ, えびの市, 宮崎県, 日本
評価
日帰り入浴 YES
宿泊 NO
公式サイト NO

そういえば…

あきしげゆから直線距離で5キロほど離れた鹿児島県側。

Haraguchi Onsen

原口温泉, 湧水町, 鹿児島県, 日本

ここでは、ドイツのモールバートを思わせるコーラ色のモール泉が見られます。

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